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余剰汚泥の発生量と処理費用

はじめに

下水処理の手法として広く用いられている標準活性汚泥法では「余剰汚泥が大量に発生してしまう」という問題がありました。

quwechan.hatenablog.com

 今回は余剰汚泥がどのくらい発生しているのか、処理の費用はどのくらいなのか調べました。

余剰汚泥が発生する原因

 余剰汚泥が発生するのは汚水を微生物を用いて処理する際に、微生物が増えてしまうからです。これは微生物が汚水中の有機物を主に自身の増殖のために使ってしまうためです。また、標準活性汚泥法は下水の浄化だけではなく、食品工場やパルプ工場などの工場からでる汚水を浄化するためにも用いられており、余剰汚泥は下水以外からも発生しています。

余剰汚泥はどのくらい発生しているのか

 以下のグラフは平成24年度に発生した日本の産業廃棄物の量とその内訳です。余剰汚泥がどの程度発生しているのかが分かります。

環境省_産業廃棄物の排出及び処理状況等 産業廃棄物排出・処理状況調査(平成24年度実績)より引用。
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 平成24年度の汚泥発生量は1.6億トン、日本で発生する産業廃棄物のうち実に43%を占めています。そして、産業廃棄物のうち一番多いのが汚泥です。さて、このうち下水汚泥とその他の汚泥の内訳はどうなっているのでしょうか。これも「産業廃棄物排出・処理状況調査(平成24年度実績)」から知ることが出来ます。この資料によると下水汚泥の年間排出量は7604万トン(日本の産業廃棄物の約20%)、その他の汚泥は8859万トン(日本の産業廃棄物の約23%)となっています。

余剰汚泥の処分にかかる費用はどの程度か

 下水汚泥についてしかデータを見つける事が出来なかったため、ここでは下水汚泥についてのみ記載します。

 国土交通省のホームページに平成15年度の下水道施設に係る維持管理費がまとめられていますので、それを以下に引用します。

下水道経営 維持管理費の内訳 より引用。

■維持管理費の内訳

平成15年度の下水道施設に係る維持管理費は、全施設で8,660億円となっており、維持管理費の内訳は下図のとおりである。
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※維持管理費は、下水道管理費(3兆4,663億円)から起債元利償還費(2兆6,003億円)を除いたものである。

 平成15年度の下水汚泥の処分費用は545億円であり、下水道管理費の6.3%を占めています。また、この年に発生した下水汚泥の量(濃縮汚泥量) は、環境省_産業廃棄物の排出及び処理状況等に掲載されている資料「産業廃棄物排出・処理状況調査(平成15年度実績)」によると7484万トンであり、下水汚泥1トン当たりの処分費用は約730円となっています(ただし、汚泥処理施設の建設費用は含まれていません。ランニングコストです)。

 下水汚泥の処分費用は、下水道の維持管理費全体からみると6.3%と少ないかもしれませんが、それでも下水汚泥の処分に545億円もかかっているというのは驚きです。

おわりに

余剰汚泥の発生量と、処理費用について調べた結果、以下の事が分かりました。

  • 余剰汚泥は年間1.6億トン発生している(平成24年度実績)。
  • 産業廃棄物に余剰汚泥が占める割合は43%(平成24年度実績)で、もっとも多い。
  • 下水汚泥の処分費用は545億円(平成15年度実績)であり、1トンあたり約730円かかっている。
  • 下水汚泥の処分費用が下水道維持管理に占める割合は6.3%であり、かなり少ない。

今回はここまでです。