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膜分離活性汚泥法について

はじめに

汚水処理の手法として標準活性汚泥法が広く用いられていますが、「処理水の水質が悪化する場合がある」という問題がありました。

quwechan.hatenablog.com


今回はこの問題を解消する手法である膜分離活性汚泥法について調べました。

膜分離活性汚泥法とは

現在の日本では下水や食品工場などから排出される汚水を浄化するために、標準活性汚泥法が主に使われています。この手法を改良した手法が膜分離活性汚泥法です。水を浄化する原理は標準活性汚泥法と同じですが、水と活性汚泥を分離する方法が異なっています。標準活性汚泥法では重力による活性汚泥の沈殿によって 処理水を分離していましたが、膜分離活性汚泥法では半透膜と呼ばれる「水と水に溶けた物質を分離する特殊な膜」をつかって処理水を分離します。

膜分離活性汚泥法の利点

標準活性汚泥法(以下、従来法を記載)と比べた際の、膜分離活性汚泥法のメリットを以下にまとめました。

処理水が綺麗

膜分離活性汚泥法では、活性汚泥や大腸菌の混入がない綺麗な処理水が得られます。

従来法では重力による活性汚泥の沈殿に頼って処理水を分離するため、活性汚泥の沈降性の低下(バルキング)現象によって処理水に活性汚泥が混入することがあります。また、重力による沈殿では大腸菌などの細菌類を処理水から分離することは困難です。
一方、膜分離活性汚泥法では半透膜を用いて活性汚泥と処理水を分離します。処理水は膜の微細な穴を通ることで活性汚泥と完全に分離されるため、従来法のよう に処理水に汚泥が混入することはありません。また、本手法に用いられる膜の孔径は大腸菌等の細菌よりも小さいため大腸菌も除去されます。その結果、膜分離活性汚泥法では従来法と比べて綺麗な処理水を得ることが出来ます。

施設を小型化できる

膜分離活性汚泥法では、処理水の分離を半透膜によって行うことで施設を小型化出来るようになりました。

従来法では重力による活性汚泥の沈殿に頼って処理水を分離するため、最終沈殿池(分離設備)が大型となっていました。これは活性汚泥の沈降性を保つために最終沈殿池での活性汚泥の濃度を低く抑える必要があるためです。
一方、膜分離活性汚泥法では半透膜を用いて活性汚泥と処理水を分離するため、巨大な最終沈殿池は必要ありません。また、膜処理設備は最終沈殿池と比べて充分小さなものになります。さらに、膜処理設備は反応タンク内に設置することが可能であり、処理水の分離のために別途独立した設備を設ける必要がありません。その結果、膜分離活性汚泥法の処理施設は従来法と比べて小型なものになります。

膜分離活性汚泥法の欠点

一方で、膜分離活性汚泥法には以下のような欠点があります。

消費電力が大きい

半透膜を用いて活性汚泥と処理水を分離するためには、高い圧力をかける必要があるため大量の電力を消費します。重力による沈殿によって活性汚泥と処理水を分離していた従来法と比べると消費電力が大きくなります。

膜ユニットの洗浄が必要である

半透膜には微細な穴が開いており、運転を続けると汚水中の有機物などにより目詰まりを起こしてしまいます。目詰まりが起きると膜透過性能が低下し施設の処理性能に影響を及ぼします。これを防止するため定期的に膜ユニットを洗浄する必要があります。

おわりに

膜分離活性汚泥法について調べた結果、以下の事が分かりました。

  • 膜分離活性汚泥法では綺麗な処理水を得ることが出来る
  • 従来法と比べると、消費電力が高い
  • 施設の処理性能を保つために膜ユニットの洗浄が必要である

今回はここまでです。