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農業機械メーカーの業績について調べてみた ~ヤンマー~

はじめに

今回はクボタに引き続きヤンマーについて調べました。
私の中では農業機械メーカーといえばヤンマーというイメージで、ヤン坊・マー坊天気予報の影響で昔から名前だけは知っていた会社でした。事業内容自体はクボタとそっくりで(水・環境事業はやっていませんが)、農業機械および産業用エンジンを製造・販売しています。ちなみにヤンマーは非上場企業なので株式を購入することは出来ません。
また、ヤンマーは2013年にヤンマーホールディングス株式会社を中心とした持株会社制に移行しているため、ここでのデータは2013年以降はヤンマーホールディングス、それ以前のものはヤンマーの決算短信から引っ張って来ていますのでご了承ください。

それではヤンマーについてみていきましょう。
(本記事ではヤンマー、ヤンマーホールディングスを総称してヤンマーと記載しております)

ヤンマーの事業について

ヤンマーの事業は「産業用機械事業」「内燃機関及び関連機器事業」の2つのセグメントに分類されます。セグメント毎の売上高の割合を以下のグラフに示します。

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ヤンマーホールディングス 第03期 決算短信より。


ヤンマーは産業用機械事業と内燃機関及び関連機器事業の双方に注力している会社であることが分かります。セグメント毎の主要品目をヤンマーの第03期決算短信およびホームページよりまとめました。海洋関連は判断が難しかったですが、産業用機械事業に入れています。

産業用機械事業

農業機械、建設機械、常用・非常用発電機、ガスヒートポンプ等の製造・販売を行っています。

区分 主要品目
農業機械 トラクター コンバイン・バインダー・自走自脱・籾すり機・粗選機・調製機 田植え機 ミニ耕うん機・管理機 無人ヘリコプター 野菜機器 大豆機器 コイン精米機
建設機械 バックホー ホイルローダー キャリア 可搬型発電機 ディーゼル発電機 ガソリン発電機 溶接機 投光器 高圧洗浄機
エネルギー ガスヒートポンプ 常用・コンジェネレーションシステム 非常用発電システム
海洋関連 プレジャーボート 漁船 海洋設備(養殖関連)

内燃機関及び関連機器事業

産業用エンジン並びにこれらの関連機器の製造・販売を製造販売を行っています。

区分 主要品目
産業エンジン 立形水冷ディーゼル 空冷ディーゼル 横型水冷ディーゼル
舶用エンジン 舶用主機(エンジン) 舶用補機(発電機) マリンエンジン

ヤンマーの業績の推移

売上高と営業利益の推移

以下のグラフに売上高の推移と営業利益率の推移を示します。

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ヤンマーの決算短信より

  • 注意
    • 2013-3期まではヤンマー、それ以降はヤンマーホールディングスの決算短信から作成


2010年に売上高が落ち込んでいますが、その後回復し売上高は伸びています。また、ヤンマーは平均4.4%の営業利益率をあげています。

以下のグラフに営業利益の推移を示します。

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ヤンマーの決算短信より

  • 注意
    • 2013-3期まではヤンマー、それ以降はヤンマーホールディングスの決算短信から作成


こちらも2010年に営業利益が落ち込んでいますが、この全体でみると営業利益は成長しています。2008年以前のデータがないため、以前の水準と比べて成長しているかを判断することが出来ません。2010年に売上や営業利益が落ち込んでいることからヤンマーは景気循環の影響を受ける会社と言えます。


売上と営業利益について以下のことが分かりました。

  • 売上高および営業利益ともに2010年に落ち込んでいるがそれ以降は回復している。
  • 営業利益率は平均4.4%である
  • ヤンマーの業績は景気循環の影響を受ける

総資産の推移

以下のグラフに総資産・自己資本比率・総資産営業利益率の推移をしめします。

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ヤンマーの決算短信より

  • 注意
    • 2013-3期まではヤンマー、それ以降はヤンマーホールディングスの決算短信から作成


総資産は2009年は5000億円程度でしたが、2016年には6700億円まで成長しています。7年間で34%成長しています。特に2013年以降に(持ち株会社制に以降してから)、資産額が急激に増加して、会社の規模が大きくなっています。また、総資産営業利益率はやや上下があるものの過去の水準から劇的に変化しているとはいえず横ばいです(平均4.6%程度)。総資産の成長と併せて営業利益も成長出来ているということでしょう。自己資本比率は上昇傾向にあり、2016年3月期では28%となっています。

資産について以下のことが分かりました。

  • 総資産は2009-3~2016-3期にかけて34%増加した
  • 資産の成長と併せて利益も成長している
  • 自己資本比率は上昇傾向で、2016年3月期は28%であった

セグメント別の業績

以下のグラフにセグメント別の売上と利益率の推移を示します。

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ヤンマーの決算短信より

  • 注意
    • 2013-3期まではヤンマー、それ以降はヤンマーホールディングスの決算短信から作成
    • 売上および利益はセグメント間のやり取りを控除する前の値
    • 2012年以降にその他がセグメントとして現れなくなった


売上は2010年度以降、産業用機械事業と内燃機関及び関連機器事業はともに増加傾向にあります。売上の割合をみても両者に大きな違いはありません。ただし、売上の成長度合いでいえば産業用機械事業の方が高いように見えます。一方で、利益率は産業用機械事業が平均2.6%、内燃機関及び関連機器事業が平均7.4%と大きな開きがあり、収益性がよいのは内燃機関及び関連機器事業です、


以下のグラフにセグメント別の利益および全体に占める割合の推移を示します。

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ヤンマーの決算短信より

  • 注意
    • 2013-3期まではヤンマー、それ以降はヤンマーホールディングスの決算短信から作成
    • 売上および利益はセグメント間のやり取りを控除する前の値
    • 2012年以降にその他がセグメントとして現れなくなった


利益についてみてみましょう。産業用機械事業は市況の影響を強く受けており、2009年から2016年までの利益増減の割合も大きなものとなっています。一方で内燃機関及び関連機器事業は年毎に利益の額は上下していますがある程度の水準の利益を毎年稼ぎ出せています。内燃機関及び関連機器事業の利益が全体の利益に占める割合は高く2016年3月期は約70%となっています。ただし、利益が成長しているとは言えません。

こうしてみるとヤンマーは農業機械メーカというよりは産業エンジンメーカであると言えます。しかし、売上の面で言うと産業用機械事業の伸びの方が大きく、産業エンジン以外の事業にも力を入れようとしているのではないかと想像出来ます。


セグメント別の業績について以下のことが分かりました。

  • 内燃機関及び関連機器事業は産業用機械事業に比べて利益率が高く、収益性がよい
  • 産業用機械事業は市況の影響を強く受けるのか、利益が安定しない。
  • 内燃機関及び関連機器事業は年毎に利益の額は上下していますが安定した利益を稼ぎ出せている
  • 内燃機関及び関連機器事業は成長しているとは言い難い
  • ヤンマーは内燃機関及び関連機器事業で利益の大半を稼いでおり、2016年3月期の収益の約70%が内燃機関及び関連機器事業によるものである

海外売上の推移

以下のグラフに地域別の売上割合および売上高の推移を示します。

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ヤンマーの決算短信より

  • 注意
    • 2013-3期まではヤンマー、それ以降はヤンマーホールディングスの決算短信から作成
    • セグメント間のやりとりを控除後の値


2009年3月期の海外売上は27%でしたが、2016年12月期には45%まで増えています。国内の売上高の方が大きいですが、国際的な企業であると言ってよい水準です。地域別にみてみると、アジアの売上高が大きく、次いで米州、欧州となっています。

海外の売上について以下のことが分かりました。

  • ヤンマーの2016年3月期の売上の45%が海外での売上である
  • 海外の中ではアジア、米州の売上が大きい

おわりに

今回ヤンマーについて調査して以下のことが分かりました。

  • 売上・営業利益ともに2010年以降回復している
  • 営業利益率は平均4.4%である
  • 総資産は2009~2016年で34%成長した
  • 会社規模の成長とともに利益も成長している
  • 総資産営業利益率は平均4.6%である
  • 自己資本比率は上場傾向で2016年3月期は28%である。
  • 海外の売上比率が増加しており、2016年時点で45%が海外での売上である
  • 海外ではアジア、米州での売上が大きい
  • 内燃機関及び関連機器事業が収益の柱である

今回はここまでです。