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鉄鋼業界 高炉メーカの業績について調べてみた ~神戸製鋼所~

はじめに

今回は神戸製鋼所の業績について調べました。神戸製鋼所は国内第3位を誇る高炉メーカです(2015年時点)。他の高炉メーカは鉄鋼事業によって利益の大半を得ていますが、神戸製鋼所が鉄鋼事業から得ている利益は全体の半分程度で事業の多角化が進んでいます。

それでは神戸製鋼所についてみていきましょう。

以下は目次です。

 

神戸製鋼所の事業

神戸製鋼所の事業は「鉄鋼」「溶接」「アルミ・銅」「機械」「建設機械」「エンジニアリング」「環境」の7つのセグメントに分類されます。セグメント毎の売上高の割合を以下のグラフに示します。

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神戸製鋼所 第163期 有価証券報告書より。


売上の4割が鉄鋼事業によるものになっており、鉄鋼事業が神戸製鋼所の主力事業です。しかし、鉄鋼事業以外の事業を数多く手がけており、他の高炉メーカと比べると売上に占める割合は低くなっています。


セグメント毎の主要品目・事業内容を神戸製鋼所の第163期有価証券報告書より以下の表にまとめました。

セグメント 主要品目・事業内容
鉄鋼 条鋼、鋼板、鋼片、鋳鍛鋼品、チタン及びチタン合金、鉄粉、鋳物用銑、製鋼用銑、スラグ製品、ステンレス鋼管、建材、各種特殊鋼製品、各種鋼線、電力卸供給
溶接 溶接材料、溶接ロボット、溶接電源、各種溶接ロボットシステム、溶接関連試験・分析・コンサルティング業
アルミ・銅 アルミ圧延品、銅圧延品、アルミニウム合金及びマグネシウム合金鋳鍛造品、アルミ加工品
機械 エネルギー・化学関連機器、原子力関連機器、タイヤ・ゴム機械、樹脂機械、超高圧装置、真空成膜装置、金属加工機械、各種圧縮機、冷凍機、ヒートポンプ、各種プラント、各種内燃機関
建設機械 油圧ショベル、ミニショベル、ホイールローダ
エンジニアリング 製鉄プラント(還元鉄)、各種プラント、原子力関連プラント、砂防・防災製品、土木工事、新交通システム
環境 水処理プラント、廃棄物処理プラント、化学・食品関連機器

 

神戸製鋼所の業績の推移

売上高と営業利益の推移

以下のグラフに売上高の推移と営業利益率の推移を示します。

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神戸製鋼所の有価証券報告書より


売上高は2010年に落ち込んでから横ばいで推移しています。
営業利益率は2007年から2010年にかけて急激に低下し、それ以降持ち直したものの以前の水準までは回復できていません。


以下のグラフに営業利益の推移を示します。

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神戸製鋼所の有価証券報告書より


2007年~2008年には高い営業利益をあげることが出来ていますが、それ以降は低迷が続いています。


売上と営業利益について以下のことが分かりました。

  • 売上高は2010年に落ち込んでから回復していない
  • 2007~2008年は高い営業利益をあげることができていたが、それ以降は業績が低迷している

総資産の推移

以下のグラフに総資産・自己資本比率・総資産営業利益率の推移をしめします。

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神戸製鋼所の有価証券報告書より


総資産額に大きな変化は無く、営業利益をあげることが出来なくなっているため総資産営業利益率は低下しています。一方、自己資本比率は上昇傾向にあり、2016年3月期では30%となっています。

資産について以下のことが分かりました。

  • 総資産額は変わっていない
  • 総資産額に大きな変化がなく、営業利益をあげることが出来なくなっているために総資産営業利益率は低下している
  • 自己資本比率は上昇傾向で、2016年3月期は30%であった

セグメント別の業績

以下はセグメント別の売上と利益率の推移を示すグラフと、セグメントごとの売上および利益率の平均値を示すグラフである。


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神戸製鋼所の有価証券報告書より

  • 注意
    • 売上および利益はセグメント間のやり取りを控除する前の値
    • 利益は2010-3以前は営業利益、2011-3以降は経常利益
    • 電力卸、不動産、電子材料・その他はセグメント別情報に現れなくなったため記載していない
    • 2011-3~2016-3のコベルコ建機械、コベルコクレーンは建設機械として計上している
    • 2011-3~2016-3の神鋼環境ソリューションは環境として計上している


鉄鋼事業は事業全体の中では利益率が低いものの売上高が最も高く、神戸製鋼の主力事業となっています。しかし、鉄鋼事業の売上および利益率は2010年以降低迷しつづけています。
鉄鋼事業以外の事業の売上高は鉄鋼事業と比べて無視できるほど低くはなく、利益率に関しては鉄鋼事業よりも高くなっています(エンジニアリングを除く)。


以下のグラフにセグメント別の利益および全体に占める割合の推移を示します。

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神戸製鋼所の有価証券報告書より

  • 注意
    • 売上および利益はセグメント間のやり取りを控除する前の値
    • 利益は2010-3以前は営業利益、2011-3以降は経常利益
    • 電力卸、不動産、電子材料・その他はセグメント別情報に現れなくなったため記載していない
    • 2011-3~2016-3のコベルコ建機械、コベルコクレーンは建設機械として計上している
    • 2011-3~2016-3の神鋼環境ソリューションは環境として計上している


鉄鋼事業の利益は2010年以降低迷しています。また、鉄鋼事業以外の利益が全体の過半を占めています


セグメント別の業績について以下のことが分かりました。

  • 鉄鋼事業の売上が他の事業に比べて高く、神戸製鋼所の主力事業となっている
  • 鉄鋼事業以外の利益率の方が鉄鋼事業に比べて高くなっている
  • 鉄鋼事業以外の売上高は鉄鋼事業に対して無視できるほど低くは無い
  • 鉄鋼事業の売上、利益は2010年以降低迷している
  • 利益の過半が鉄鋼事業以外によるものである

海外売上の推移

以下のグラフに地域別の売上シェアおよび売上高の推移を示します。

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神戸製鋼所の有価証券報告書より

  • 注意
    • 2007-3~2010-3の数値はセグメント間のやりとりを消去前の値
    • 2011-3~2016-3の数値はセグメント間のやりとりを消去後の値
    • 2010-3のアジアとその他をその他として計上

海外売上の割合は2011年に大きな変動があるものの年毎の変化は無く、2016年3月期は36%です。2011年に海外売上の割合が大きく増加したのは、国内売上が減少し海外売上が増加したためです。国内売上は2011年に減少して以来、横ばいで推移しています。海外売上は「その他」が増加していますが、「中国」は減少傾向にあります。


海外の売上について以下のことが分かりました。

  • 海外売上の割合は2016年3月期で36%で、年毎の変化は少ない(2011年を除く)
  • 2011年に国内売上が減少し、その後は横ばいで推移している
  • 2011年に海外売上が増加した
  • 海外売上のうち、「その他」が増加傾向、「中国」が減少傾向にある

おわりに

今回神戸製鋼所について調査して以下のことが分かりました。

  • 売上高は2010年に落ち込んでから回復していない
  • 2007~2008年は高い営業利益をあげることができていたが、それ以降は業績が低迷している
  • 総資産額は変わっておらず、会社の規模は成長していない
  • 自己資本比率は上昇傾向で、2016年3月期は30%であった
  • 鉄鋼事業の売上が他の事業に比べて高く、神戸製鋼所の主力事業となっている
  • 鉄鋼事業以外の利益率の方が鉄鋼事業に比べて高くなっている
  • 鉄鋼事業の売上、利益は2010年以降低迷している
  • 利益の過半が鉄鋼事業以外によるものである
  • 海外売上の割合は2016年3月期で36%で、年毎の変化は少ない(2011年を除く)
  • 2011年に国内売上が減少し、その後は横ばいで推移している
  • 2011年に海外売上が増加した

今回はここまでです。