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鉄鋼業界 普通鋼電炉メーカの業績について調べてみた ~共英製鋼~

はじめに

今回は共英製鋼の業績について調べました。共英製鋼は新日鉄住金資本の会社で、新日鉄住金が保有する株式が全体の4分の1程度を占めています。同社は鉄鋼事業だけではなく医療廃棄物や産業廃棄物の処理も行っています。また、同社は鉄筋コンクリート用棒鋼で高いシェアを誇っています。

それでは共英製鋼についてみていきましょう。

以下は目次です。

 

共英製鋼の事業

共英製鋼は「鉄鋼」「海外鉄鋼」「環境リサイクル」の3つの事業を行っています。各事業が売上に占める割合を以下の図に示します。

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共英製鋼の有価証券報告書より

鉄鋼と海外鉄鋼事業が売上の95%を占めており、共英製鋼は鉄鋼事業に注力しているといえます。環境リサイクル事業も行ってはいますが、業績に与える影響は小さいと考えられます。


各事業の内容をの共英製鋼の有価証券報告書より以下の表にまとめました。

セグメント 主要品目・事業内容
鉄鋼 異形棒鋼、構造用棒鋼、平鋼、山形鋼、I形鋼、ネジ節鉄筋(タフネジバー®)、ビレット(半製品)、鉄筋加工製品等
海外鉄鋼 異形棒鋼、ネジ節鉄筋、線材
環境リサイクル 医療廃棄物の中間及び最終処理、産業廃棄物の中間及び最終処理、再生砕石

共英製鋼の業績の推移

売上高と営業利益の推移

以下のグラフに売上高の推移と営業利益率の推移を示します。

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共英製鋼の有価証券報告書より


売上高は2010年に落ち込みましたが、その後上昇し、2016年には元の水準まで達しています。一方、営業利益率は2011年に急激に落ち込み、その後は上昇傾向にはありますが2016年の段階で8%程度と元の水準までは回復できていません。


以下のグラフに営業利益の推移を示します。

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共英製鋼の有価証券報告書より


営業利益は2010年から2011年にかけて急激に落ち込み、2014年まで低い額のまま推移しています。その後、営業利益は回復していますが、2007年から2008年の水準までは達していません。


売上と営業利益について以下のことが分かりました。

  • 売上は2010年に落ち込んだのち、元の水準まで回復している
  • 営業利益は2010年から2011年にかけて落ち込んだのち、回復したものの元の水準には達していない

総資産の推移

以下のグラフに総資産・自己資本比率・総資産営業利益率の推移をしめします。

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共英製鋼の有価証券報告書より


総資産額、自己資本比率はともに上昇傾向にあり、特に自己資本比率が高く2016年は67%となっています。財務は盤石です。一方、総資産営業利益率は、総資産額が増加したのに対して営業利益は減少していることから低下しています。

資産について以下のことが分かりました。

  • 総資産額は増加している
  • 自己資本比率も増加しており、2016年は67%と非常に高い水準の値であり財務は盤石である
  • 総資産営業利益率は、総資産の増加と営業利益の減少により低下している

セグメント別の業績

以下はセグメント別の売上と利益率の推移を示すグラフと、セグメントごとの売上および利益率の平均値を示すグラフである。


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共英製鋼の有価証券報告書より

  • 注意
    • その他はセグメント別情報に現れなくなったため記載していない
    • 数値はセグメント間のやりとりを消去前の値


鉄鋼事業の売上は2010年に落ち込んでから回復できていませんが、営業利益率は2016年段階で10%を越えており元の水準まで回復できています。一方、海外鉄鋼事業の営業利益率が1%程度と極めて低くなっており、海外鉄鋼事業の営業利益率の低さが、共英製鋼の営業利益率を押し下げていると考えられます。
環境リサイクル事業は近年の営業利益率は低下傾向であるもののその値は極めて高く、2016年段階で15%を越えています。環境リサイクル事業は収益性の高い事業であるといえますが、売上は小さく、業績に与える影響は限定的です。


以下のグラフにセグメント別の利益および全体に占める割合の推移を示します。

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共英製鋼の有価証券報告書より

  • 注意
    • その他はセグメント別情報に現れなくなったため記載していない
    • 数値はセグメント間のやりとりを消去前の値


2016年の鉄鋼事業の利益は2007年と比べて低くなっており、低迷しています。しかし、利益の大半を鉄鋼事業が稼いでおり、共栄製鋼の主力事業となっています。海外鉄鋼事業の利益は極めて低くほぼ無視してよい水準です。また、環境リサイクル事業の利益は小さいものの毎年安定して稼げています。


セグメント別の業績について以下のことが分かりました。

  • 鉄鋼事業が利益の大半を稼いでいる
  • 鉄鋼事業の売上、利益額ともに低迷を続けている
  • 鉄鋼事業の営業利益率は以前の水準まで回復できている
  • 海外鉄鋼事業の営業利益率が極めて低く、全体の利益率を押し下げている
  • 環境リサイクル事業の営業利益率が極めて高く、売上は小さいが毎年一定の利益を稼ぎ出している

海外売上の推移

以下のグラフに地域別の売上シェアおよび売上高の推移を示します。

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共英製鋼の有価証券報告書より

  • 注意
    • 数値はセグメント間のやりとりを消去後の値
    • 以下の理由からグラフ作成の際に2012年以前のデータを用いていない
      • 2007年から2012年までと2013年以降では集計区分に統一性が無く、これらの期間のデータが連続性を欠くこと
      • 売上に占める割合が1割に満たないことを理由に2007円から2012年の海外売上についての情報がたびたびないこと


国内の売上は2013年から2016年にかけてあまり変化が無い。一方、ベトナムは年々売上が増加している。海外売上の割合は2013年の23%から2016年の33%まで増加している。


海外の売上について以下のことが分かりました。

  • 国内の売上は変化が無い
  • ベトナムの売上が増加している
  • 海外売上比率は2013年の23%から2016年の33%に増加している

おわりに

今回共栄製鋼について調査して以下のことが分かりました。

  • 売上、営業利益ともに2010年頃に落ち込んだのち回復する傾向にあり、景気循環性が見られる
  • 鉄鋼事業が主力事業であり、利益の大半を稼いでいる
  • 環境リサイクル事業は売上が小さいものの収益性が高く、毎年一定の利益を稼いでいる
  • 海外鉄鋼事業は売上がそこそこあるが収益性が極めて低く、ほとんど利益をあげていない
  • 国内での売上は2013年以降変化があまりないが、ベトナムでの売上は増加傾向にあり、海外売上比率は33%まで増加した


今回はここまでです。