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荏原の業績について調べてみた

荏原の事業

荏原は「風水力」「エンジニアリング」「精密・電子」事業の3つの事業を営んでいます。

各事業が売上に占める割合を以下の図に示します。

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荏原の有価証券報告書より



各事業の内容を荏原の有価証券報告書より以下の表にまとめました。

セグメント 主要品目・事業内容
風水力 ポンプ、コンプレッサ、タービン、冷熱機械、送風機
エンジニアリング 都市ごみ焼却プラント、産業廃棄物焼却プラント、水処理プラント
精密・電子 真空ポンプ、CMP装置、めっき装置、排ガス処理装置

荏原の業績の推移

売上高と営業利益の推移

以下のグラフに売上高の推移と営業利益率の推移を示します。

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荏原の有価証券報告書より


以下のグラフに営業利益の推移を示します。

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荏原の有価証券報告書より


売上は減少しています。

営業利益、営業利益率は増加しています。

営業利益率の平均は4.9%と平凡です。

総資産の推移

以下のグラフに総資産・自己資本比率・総資産営業利益率の推移をしめします。

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荏原の有価証券報告書より


総資産は減少しています。

一方自己資本比率は増加しており、2016-3の自己資本比率は41%です。

セグメント別の業績

以下はセグメント別の売上と利益率の推移を示すグラフと、セグメントごとの売上および利益率の平均値を示すグラフである。


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荏原の有価証券報告書より

  • 注意
    • 数値はセグメント間のやりとりを消去前の値


2011-3に「エンジニアリング」事業の売上が大幅に減少しています。また、それ以降、「エンジニアリング」事業の利益率が改善して行っているのが分かります。

「風水力」事業は売上・利益率ともに増加傾向にあります。

「精密・電子」事業は売上はやや減少傾向にありますが、利益率は横ばいです。また、営業利益率の推移から「精密・電子」事業は景気循環の影響を受けるといえます。



以下のグラフにセグメント別の利益および全体に占める割合の推移を示します。

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荏原の有価証券報告書より

  • 注意
    • 数値はセグメント間のやりとりを消去前の値


「風水力」事業が収益の要になっています。


海外売上の推移

以下のグラフに地域別の売上シェアおよび売上高の推移を示します。

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荏原の有価証券報告書より

  • 注意
    • 数値はセグメント間のやりとりを消去後の値

国内の売上の減少している一方で、海外の売上、特にアジアが増加しています。
海外売上比率は増加しており、2016-3は52%でした。


おわりに

今回荏原について調査して以下のことが分かりました。

  • 売上は横ばい
  • 営業利益・営業利益率が上昇している
  • 総資産は減少傾向である
  • 自己資本比率は増加しており、2016-3は41%であった
  • 「風水力」事業が収益の要である
  • 海外売上比率は増加しており、2016-3は52%だった


売上は横ばいですが、内訳をみると国内売上が減少し海外売上が増加するという動きがあります。
国内の水インフラは将来的に縮小していくことが確実なので、海外売上が増加しているのは非常に好ましいです。

同社に投資するのであれば以下について検討したいですね。

  • 「エンジニアリング」事業の売上が急激に減少した原因は何か、また、なぜそれ以降収益性が改善したのか
  • 「エンジニアリング」事業は今後売上を伸ばしていけるのか
  • 海外での事業展開の展望はどうか

しかし、売上は横ばいで利益率も平凡な値なので無理して投資をする必要はありません。


今回はここまでです。

追記

エンジニアリング事業の売上が急激に減少した理由

第145期の有価証券報告書の有価証券報告書に理由が記載されています。

なお、水処理プラント事業における主要な連結子会社であった荏原エンジニアリングサービス株式会社は、平成22年3月31日に当社、三菱商事株式会社、日揮株式会社の3社出資による持分法適用会社となりました。今後は3社の強みを融合させた総合水事業会社として、市場拡大が期待される国内の事業型案件や海外水事業案件への取り組みを強化していきます。

水処理プラント事業が連結から外れたためにエンジニアリング事業の売上が大幅に減少しています。

ちなみに引用中の「3社の強みを融合させた総合水事業会社」とは「水ing株式会社」のことです。

エンジニアリング事業で2007-3~2009-3に損失を出していた理由

一言でいうと、海外の廃棄物発電プラント事業で巨額の損失が発生したからです。

ドイツ・インフラサーブ・プロジェクトというのが損失を出していた事業です。
このプロジェクトは合計で531億円の巨額損失を荏原にもたらしています。


このプロジェクトの契約については、当時の経営陣がとにかくダメだったと言わざるを得ません。

同プロジェクトは非常にリスクが高く巨額の損失が発生することは事前に予想されていました。そのため、社内会議で同プロジェクトの契約は行わないと決定されていました。それにも関わらず、経営陣が契約を強行してしまったのです。

なお、ドイツ・インフラサーブ・プロジェクトの損失発生の経緯についてはこちらが詳しいです。