はじめに
私は株式投資をしており、介護業界に興味があります。そこで今回は介護業界の需要が今後どのように推移していくのかを調べてみました。需要とは「要介護者の数」と考え、その将来の推移を予測してみようと思います。
どうやって将来の要介護者数を予測するのか
ここでは以下の3つの統計情報から将来の要介護者数を予測しました。
- 年齢別の要介護者数
- 年齢別の人口
- 年齢別人口の将来推計
「年齢別の要介護者数」と「年齢別の人口」から各年齢での「介護が必要となる人の割合」を算出することが出来ます。この割合が将来に渡って不変であると仮定すれば、「将来人口の推計値」とこの割合を積算することで将来の要介護者数を求めることが出来ます。
介護が必要な人の割合を算出する
以下の2つのグラフは「年齢別の要介護者数」と「年齢別の人口」を示しています。それぞれ厚生労働省と総務省統計局が公開している資料を元に作成しました。
出典:ホーム|厚生労働省 介護保険事業状況報告(暫定) 平成26年10月分
出典:統計局ホームページ 人口推計(平成26年10月1日現在)‐全国:年齢(各歳),男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級),男女別人口‐
「年齢ごとの要介護者の人数」を「年齢ごとの人口」で除算すれば、「介護が必要な人の割合」を算出することが出来ます。以下のグラフが算出結果です。
年齢を重ねるごとに介護が必要になる確率が増加していることが分かります。85~89歳で5割、90歳を越えると7割以上が要介護者になります。
要介護者の将来人口を推計する
以下のグラフは将来の日本人口を年齢別に推計した結果です。このグラフは国立社会保障・人口問題研究所が公開している資料を元に作成しました。
出典:国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(平成24年1月推計)
「各年齢の将来人口」に各年齢での「介護が必要な人の割合」を積算すれば、要介護者の将来人口を推計することが出来ます。以下のグラフが推計した結果です。
推計結果から要介護者の人口に関して以下の事が分かります。
- 要介護者の人口は2040年まで増加し、約1000万人に達した後はほとんど増減せず横ばいで推移する。
- 80歳未満の要介護者はそれほど増えない。むしろ、減少する。
- 80歳以上の要介護者が増加する。特に90歳以上の要介護者の増加が著しい。
おわりに
今回は2014年時点での「介護が必要となる人の割合」を算出し、この値が将来に渡って不変であるという前提の元、要介護者の将来人口を推計しました。結果、介護の需要は2040年頃まで増加しつづけ、その後は横ばいになることが分かりました。需要の増え方も多く介護業界は「需要だけみれば」魅力的な投資先と言えそうです。
今回はここまでです。