ピジョンの事業
ピジョンは「国内ベビー・ママ」「子育て支援」「ヘルスケア・介護」「海外」「中国」の5つの事業を営んでいます。
各事業が売上に占める割合を以下の図に示します。
ピジョンの有価証券報告書より
各事業の内容をピジョンの有価証券報告書より以下の表にまとめました。
セグメント | 主要品目・事業内容 |
---|---|
国内ベビー・ママ | 授乳関連用品、離乳関連用品、スキンケア用品、ウェットティシュ類、ベビーフード類、ベビー外出用品、女性ケア用品(サプリメント、マタニティ用品)、その他 |
子育て支援 | 保育施設運営及び受託、幼児教室運営、ベビーシッターサービス提供、その他 |
ヘルスケア・介護 | 失禁対策用品、スキンケア用品、ウェットティシュ類、車いす類、介護施設向け用品、介護支援サービス、その他 |
海外 | 育児用品、女性向け用品 |
中国 | 育児用品、女性向け用品 |
ピジョンの業績の推移
売上高と営業利益の推移
以下のグラフに売上高の推移と営業利益率の推移を示します。
ピジョンの有価証券報告書より
以下のグラフに営業利益と純利益の推移を示します。
ピジョンの有価証券報告書より
売上とともに営業利益率も上昇しています。
営業利益率の平均は10%と高いです。
営業利益・純利益ともに大きく増加しています。
総資産の推移
以下のグラフに総資産・自己資本比率の推移をしめします。
ピジョンの有価証券報告書より
総資産は増加しています。
自己資本比率は変わらず。
2017-1の自己資本比率は68%です。
セグメント別の業績
以下はセグメント別の売上と利益率の推移を示すグラフと、セグメントごとの売上および利益率の平均値を示すグラフである。
ピジョンの有価証券報告書より
以下のグラフにセグメント別の利益および全体に占める割合の推移を示します。
ピジョンの有価証券報告書より
売上と利益率ともに「国内ベビー・ママ」「海外」「中国」事業が高くなっています。
つまり、育児向け・女性向け用品の製造販売が好調ということです。
利益もこれらの事業が大半を稼いでいます。
現時点では、「子育て支援」「ヘルスケア・介護」事業はあってないようなものです。
事業を育成している段階です。
海外売上の推移
以下のグラフに地域別の売上シェアおよび売上高の推移を示します。
ピジョンの有価証券報告書より
海外売上比率は増加しており、2017-1は50%です。
特にアジアの伸びが大きくなっています。
以下のグラフにアジアの売上推移を示します。
ピジョンの有価証券報告書より
中国の売り上げが大きく増加しています。
財務健全性
まずは手元の現金量が少なすぎないか、有利子負債が多すぎないかをみていきます。
以下のグラフに当座比率の推移と、D/Eレシオの推移を示します。
ピジョンの有価証券報告書より
当座比率は流動負債に対する当座資産の量の比率です
80%以上で安全です。
D/Eレシオは純資産に対する有利子負債の量の倍率です。
1倍未満で安全、2倍以上なら危険です。
当座比率、D/Eレシオともに基準を満たしており、手元の現金量と有利子負債については問題ありません。
次は売上債権と棚卸資産についてみていきます。
売上の回収が滞っていないか、在庫が積みあがっていないかを確認します。
以下のグラフに売上債権回転月数と棚卸資産回転月数の推移を示します。
ピジョンの有価証券報告書より
売上債権回転月数は業界にかかわらず、4か月を超えると危険です。
また、業界平均2.8倍以下が望ましいです。
棚卸資産回転月数は医薬品と不動産を除いて、4か月を超えると危険です。
また、業界平均2.5倍以下が望ましいです。
売上債権回転月数と棚卸資産回転月数ともに業界平均を下回っており、売上の回収・在庫ともに問題ありません。
ピジョンは財務的に安全です。
キャッシュフロー
以下のグラフに各種キャッシュフロー、現金同等物、有利子負債の推移を示します。
ピジョンの有価証券報告書より
営業CF・フリーCFがプラスで、営業CFが成長しています。
また、近年では営業CFのほうが投資CFと比べて十分大きくなっています。
少ない資本投下で営業CFを維持できているということです。
さらに現金同等物が積みあがっている一方で、有利子負債はあまり増えていません。
儲かっている会社の典型的なキャッシュフローです。
業績や株価に関する指標の推移
以下の表に各指標の推移をまとめました。
ピジョンの有価証券報告書より
ピジョンの有価証券報告書より
BPSとROEの双方が成長しています。
また、ROEの成長は、財務レバレッジや売上によるものではなく、利益率の上昇によるものです。
素晴らしいです。
おわりに
今回ピジョンについて調査して以下のことが分かりました。
- 売上・営業利益・純利益・営業利益率が増加しています
- 営業利益率の平均値は10%と高い水準です
- 総資産は増加しています
- 自己資本比率は変化していません
- 2017-1の自己資本比率は68%です
- 「国内ベビー・ママ」「海外」「中国」事業がほぼ全ての利益を稼いでいます
- 利益の7割程度が海外(海外・中国事業)事業によって稼ぎ出されています
- 海外売上比率は上昇しており、2017-1は50%です
- アジア、特に中国の売り上げが大きく増加しています
- 財務は健全です
- キャッシュフローは素晴らしいです
- BPSとROEの双方が成長しています
- ROEの成長は利益率の上昇によるものです
ピジョンの業績は素晴らしく、ぜひ投資したい会社です。
しかし、PERを見ると割高で、現時点で投資をしても報われるかはわかりません。
十分安くなったら投資したい会社です。
今回はここまでです。