株式調査記録

主に日本の株式の調査結果をまとめています

ライオン 事業内容と業績推移

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事業内容

事業概要およびセグメント別売上構成

ライオンは以下3つの事業を営んでいます。

  • 洗剤や歯ブラシなどの日用品を取り扱う「一般用消費財」事業
  • 業務用洗剤や油脂活性剤を取り扱う「産業用品」事業
  • 主に日用品の製造販売を海外にて行う「海外」事業


以下の表は各部門の主要製品および商品です。

セグメント 主要品目・事業内容
一般用消費財 歯磨、歯刷子、ハンドソープ、解熱鎮痛薬、点眼剤、栄養ドリンク剤、殺虫剤、洗濯用洗剤、台所用洗剤、柔軟剤、住居用洗剤、漂白剤、ペット用品
産業用品 油脂活性剤、導電性カーボン、業務用洗浄剤
海外 日用品の製造販売及び売買

有価証券報告書およびIR情報より表を作成


以下は2017年12月期のセグメント別の売上構成です。

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有価証券報告書よりグラフを作成


海外事業では主に日用品を取り扱っていることを考えると、ライオンの売上の殆どが日用品によるものです。

地域別の売上構成

以下は地域別売上の推移です。

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有価証券報告書よりグラフを作成


ライオンの2017-12期の海外売上は27%で、主な地域はタイなどアジアです。海外売上比率は増加傾向にあります。


業績推移

売上と利益

以下のグラフは売上と営業利益率の推移です。

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有価証券報告書よりグラフを作成

売上は増加傾向にあります。
また、営業利益率が2015-12期以降に急上昇しています。
2014-12期までは2~3%程度しかないのに、それ以降は6%程度まで上昇しています。


セグメント別の売上・利益推移

以下はセグメント別の売上構成の推移および売上増減です。

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有価証券報告書よりグラフを作成


海外事業の売上が最も増加してます。
ライオンの売上増加を牽引しているのは海外事業であることがわかります。



以下はセグメント別の利益構成の推移および利益増減です。

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有価証券報告書よりグラフを作成


ライオンの利益増加を牽引しているのは一般用消費財事業であることがわかります。
海外事業の利益も増加していますが、一般用消費財事業のほうが増加量が大きいです。

利益率の上昇理由について

一般消費財事業の利益が増加したのはなぜでしょうか。
それはライオンがこれまでの低価格路線を止めて、高付加価値商品へ注力し、うまくいったからだと考えられます。

このことについてよくわかるのが以下の記事の記載です。

眠れる「ライオン」、数字NG会議で覚醒:日経ビジネスオンラインより引用


これこそがライオンの悪癖だった。競争が激しくなり、計画達成の雲行きが怪しくなると、安売りで量を稼ぎ、売り上げを確保する。実際、12年度上期は大幅減益になる一方で、売上高は前年度比5.5%増となった。


(中略)


最初に取り組んだのが、高付加価値化の可能性があるブランドに社内のリソースを集中することだ。約60あるブランドの中で、重点ブランドと位置づけたのは歯磨きなどオーラルケアの「クリニカ」や衣料用液体洗剤「トップ NANOX(現スーパーNANOX=ナノックス)」など1ケタのブランドのみ。その結果、重点ブランドのマーケティング予算は約1.5倍に拡大した。

資産

以下のグラフは総資産と自己資本比率の推移です。

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2015-12期以降に総資産・自己資本比率ともに増加・上昇しています。これは本業がうまくいった影響ですね。



以下のグラフは資産(B/Sの左側)の内訳推移です。

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2006-12期と比較して現金と有価証券の保有比率が上がっています。本業がうまくいっており、お金が少し余っている状態です。また、2007-12期に無形固定資産が増えていますが、これは鎮痛解熱剤「バファリン」ブランド等の商標権です。大体300億円くらいですね。減価消却しながら最終的にはほぼゼロになっています。


以下のグラフは負債(B/Sの右側)の内訳推移です。

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本業の調子がよく、2015-12期以降自己資本が急激に増えています。2007-12期に増加した有利子負債も2017-12期にはほとんどなくなっています。ちなみに2007-12期の借り入れはバファリンの商標権購入のためです。



以下は自己資本の内訳推移です。

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年々利益剰余金が積みあがっています。良い形だと思います。

キャッシュフロー

全体

以下のグラフは各種CFおよび現金同等物と有利子負債の推移です。

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有価証券報告書よりグラフを作成

  1. 営業CFが常にプラスである
  2. フリーCFも原則プラスである
  3. 有利子負債が減少し、現金同等物が増加している


保守的で安全志向な会社ですね。また、最近では本業が調子が良いので借金も返済し、現金同等物が増えています。

営業CF

以下のグラフは営業CFの推移です。

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不審な点は特にありません。

投資CF

以下のグラフは投資CFの推移です。

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2007-12期に300億円程度の無形資産(=バファリンの商標権)を購入しています。
それ以外は100億円程度の設備投資を続けてるといった感じです。

財務CF

以下のグラフは財務CFの推移です。

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2007-12期にバファリンの商標権を購入するために350億円程度の借り入れをしています。以降はその返済を行っています。

まとめ

ライオンは主に日用品を扱っており、ディフェンシブな銘柄です。売上や利益の推移をみる限り、景気循環の影響を受けないように思われます。しかし、最近では高付加価値品へ注力しており、ディフェンシブだが景気循環の影響をやや受けるとみておいたほうが無難でしょう。海外売上比率は2017-12期は27%程度で上昇傾向にあります。売上は増加傾向、特に海外事業が伸びています。近年営業利益率が6%程度まで向上したが、これは国内の日用品を取り扱う事業の高付加価値品目注力が功を奏し、利益率が上昇したからです。

一般用消費材事業の利益率が維持できるか、海外事業の売上成長がどうなるかが見どころです。

今回はここまでです。