調査の動機
日本のインフラは高度経済成長期に多く作られましたが、多くが老朽化よって建て替えや整備の必要に迫らせています。社会インフラの再整備、メンテナンスは今後10年20年間以上続くであろうテーマであり、それにのっとった銘柄としてスバル興業を調査することにしました。
事業概要
スバル興業は道路のメンテナンスを主な事業としています。祖業は映画興行ですが現時点では撤退しています。事業セグメントおよび内容は表の通りです。
セグメント | 事業内容 |
---|---|
道路 | 道路及び道路附属設備の維持・清掃、補修工事 |
レジャー | 飲食店の運営、東京都夢の島マリーナ・浦安マリーナの運営、銘水等の物品販売、高速道路売店向けの商品販売 |
不動産 | 吉祥寺スバルビルその他の所有不動産の賃貸 |
有価証券報告書より表を作成
有価証券報告書よりグラフを作成
道路事業が9割程度の売上と利益を稼いでいます。スバル興業は道路事業の会社だと思ったらよいです。
スバル興業の道路事業の業務内容です。
社史p67より表の一部の引用
- 顧客は公共が多い
- 掃除、巡回、除雪などの比較的簡単な業務が多い
- 修繕に関しては巡回に紐づく日常的な修繕が多そう(私見)
したがって、同社の道路事業には
・差別化が難しい
・日常的に需要が発生する業務
・公共投資の動向の影響を受けやすい
といった特徴があります。
売上と利益
有価証券報告書よりグラフを作成
2015-1期ごろから急激に売上と利益が改善しているのがわかります。2021-1期の営業利益率は14%もあり非常に高いです。
セグメント情報
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2015-1期より道路事業の売上と利益が大きく増加しており、同社の売上と利益の拡大をけん引しているのが道路事業であることがわかります。
まとめ
スバル興業は道路の維持管理に関する公共投資が増加するのに伴って、大きく売上と利益を伸ばしています。国の動向に注意が必要ですが、国は予防措置によって道路の長寿命化を図ろうとしているため、維持管理費が減少することは考えにくいです。当面は調子が良い時期が続くように思います。
ただ、国や地方自治体の予算には限りがあり、同社の業務は差別化が難しいものが多いため、値下げ圧力は常にあるものと思ったほうが良いです。スバル興業は2021-1期に営業利益率14%とかなり儲けていますが、これが棄損するリスクも十分に考えておくべきです。
本記事は調査結果の要約です。調査の詳細をご覧になられたい方は以下のページをどうぞ。
今回はここまでです。