事業内容
概要
SPKは自動車向けの補修部品、建設機械・フォークリフトなどの組付け部品、補修部品を取り扱っている商社です。同社の事業は「国内」「海外」「工機」「CUSPA」の4つのセグメントに分かれています。それぞれの事業内容は以下の表のとおりです。
セグメント | 事業内容 |
---|---|
国内 | 国内自動車部品・用品メーカーが生産する部品・用品および欧米からの輸入部品を全国19拠点の事業所を通じて、全国に存在している地域部品卸商・カー用品ショップ等へ販売。連結子会社である株式会社丸安商会(フォークリフト・ショベルなどの産業車両の補修部品販売)、および谷川油化興業株式会社(ブレーキフルード、不凍液等のオートケミカル用品の製造・販売)は国内事業に含まれている |
海外 | 主に国内自動車部品メーカーが生産する部品を、現地の輸入商を通じて、世界80ヶ国余へ販売 |
工機 | 国内外のメーカーが生産する部品を建機・農機・フォークリフト等のメーカーへ、組付部品として販売 |
CUSPA | カスタマイズドパーツをメインに販売、カーメーカータイアップ事業、オリジナルブランド事業、ジョイントベンチャー事業、二輪事業、e-Sports事業等 |
有価証券報告書より表を作成
以下は2022年3月期決算の売上と利益の構成です。
有価証券報告書よりグラフを作成
「国内」事業が売上・利益の半分を稼いでおり、重要度が高いといえます。他セグメントの重要度が低いというわけではありませんが。
国内自動車補修部品事業について
同社の「国内」事業について調査してまとめています。「国内」事業では自動車、フォークリフト・ショベルの用品・部品を扱っているのですが、ここでは自動車についてのみ書いています。
SPKは優良部品を扱っている
自動車の補修部品には以下の種類のものがあります。
全国自動車部品卸商協同組合 部品商業務の基礎知識 第2部 補修部品の基礎知識 p34より引用
SPKは主に優良部品を取り扱っています。全国自動車部品卸商協同組合 自動車補修部品産業未来ビジョンによると、優良部品の調達先はほぼすべて国内部品メーカのようです(製造場所は海外も含まれる)。
以下は自動車補修部品の需要発生要因別に見た分類です。
全国自動車部品卸商協同組合 部品商業務の基礎知識 第2部 補修部品の基礎知識 p32より引用
SPKは交換部品も修理部品もどちらも扱っているようですが(取扱い商品ページや過去の有報を見る限り)、それぞれの売上比率はよくわかりません。ただ、同社は優良部品を主に取り扱っているため、交換部品が中心だと思われます。
自動車補修部品の流通について
以下は自動車部品の流通概要図です。
全国自動車部品卸商協同組合 自動車補修部品産業未来ビジョン p16より引用
SPKは図の部品卸販売会社に該当します。自動車部品メーカから優良部品を調達し、それを地域部品商や専門店・量販店・ガソリンスタンドに卸しています。つまり、部品メーカーにとっての販売代理店というわけです。整備専業者へは地域部品商を通じて部品を供給しています(整備工場は車の車検を通すことが認められた指定工場だけで3万、整備工場全体で9万程度の数があります。これらの整備専業者が求める部品の流通体制を整えるのは非常に困難であり、それを地域部品商が担っています)。
部販・共販とディーラー(部品販売)が主に純正品、SPKなどの部品販売会社が優良部品を取り扱っていると考えたらよいです。
以下は補修部品の流通金額を記載した流通概要図です。
全国自動車部品卸商協同組合 全部協 経営未来ビジョン 2015 p11より引用
優良部品の流通額はおよそ2000億円、純正部品は6000億円程度であり、純正部品が金額的には多く流通しています。また、補修部品の流通額9500億円のうち、6000億円が地域部品商を通じており、地域部品商が自動車補修部品流通の多くを担っていることがわかります。SPKにとって地域部品商は重要顧客です。
顧客ニーズについて
自動車補修部品産業未来ビジョンによると顧客である地域部品商のニーズは主に以下の2点です。
- 納期の短縮
- 新商品の開発
一般に自動車は生活に必要なものであり、利用できないとユーザは困ります。そのため、整備に必要な補修部品の納期は短くなければなりません。そのために部品卸販売会社は
- 在庫数の適切なコントロール
- 地域部品商の在庫管理を部品卸販売会社が行う
- 受発注システムを地域部品商に導入する
- 部品卸販売会社と地域部品商との間でリアルタイムでの情報共有体制を構築する
などの施策を行っています。
1について、優良部品は使用頻度が高く汎用品が多いため、比較的在庫リスクが小さいです。そのため、需要予測の精度向上も重要ですが、適正な在庫を持つことが納期の短縮化につながることが多いようです。
2、3について、全日本自動車部品卸商協同組合の刊行物を読むと地域部品商は小規模な事業者が多く、余力のなさから業務改善があまり進んでいない印象がある(私見です)ため、こういった施策の余地はまだ多く残されているのではないかと思っています。
4について、これは「どういった部品が壊れやすく交換需要があるか」「どういった時期にどの程度部品需要があるか」といったことを把握することで納期短縮を図る狙いがあるのだと思います(需給予測精度の向上につながるはず)。納期短縮とは関係ない話になってしまいますが、近年では自動車の電動化や高度化がすすんでおり、部品そのものの仕様や修理・メンテナンス方法についての情報価値がますます高くなっています。地域部品商や整備事業者は規模が小さく、立場が弱いことが多いため、4の施策は業界全体にとって非常に有益な試みであるといえます。
優良部品は整備事業者や地域部品商からみると純正部品と比較して利益を確保できる部品と捉えられているため、純正部品しか販売されていない部品を優良部品として開発されることが求められています。
全日本自動車部品卸商協同組合の刊行物を読むと
- 地域部品商の50%程度が経営課題として純正部品の値上げを取り上げており
- 地域部品商の粗利率の平均が23%程度であるのに対し、純正部品の推定原価率が88%である
ことから、優良部品開発のニーズはそれなりにあると思われます。
同じ理由からリユース部品やリビルド部品についてもニーズがあるようです。
部品メーカーは数が出ないものを作るのを嫌がるので、そういったものは優良部品としての商品化は難しいです。なので、それを埋めるのがリユース・リビルド部品なのかなと思っています。
競合他社について
インターネットで情報収集してみましたが、以下の文献が参考になりました。
桃山学院大学経済経営論集 第 59 巻第 4 号 縮小する国内産業の構造変化についての一考察 自動車用補修部品産業における商社・卸売業を中心に
その中に自動車部品卸販売会社の売上推移データがありましたので引用します。
桃山学院大学経済経営論集 第 59 巻第 4 号 縮小する国内産業の構造変化についての一考察 自動車用補修部品産業における商社・卸売業を中心に より引用
これを見る限りでは
- 辰巳屋興業
- 明治産業
- エンパイア自動車
がSPKの競合といえそうです。広義では部販・共販も競合他社なのですがここでは除いています。
国内自動車補修部品卸事業の規模は各社複数の事業を営んでいるので単純な比較は難しいですが、SPKは少なくとも上位の規模の会社であることがわかります。また、優良部品の流通額が推計で2000億円程度だということを踏まえると、優良部品の1次卸市場はかなり寡占化・集約化が進んでいるようです。
国内自動車補修部品卸の事業環境
ここでは日本国内の自動車補修部品卸の事業環境について、調べてわかったことをいくつか紹介します。
国内の自動車整備売上は横ばいで推移している
国内の自動車整備売上の推移です。
日本自動車整備振興会連合会 自動車特定整備業実態調査結果 よりグラフを作成
2005年から比べると売上は減少していますが、自動車整備売上は2009年以降はほぼ横ばいで推移していることがわかります。したがって、自動車補修部品や用品全体の需要も横ばいで推移しているのではないかと予想しています。
国内の自動車保有台数、使用年数は増加・長期化傾向にある
以下のグラフのように自動車保有台数は微増傾向にあり、自動車の平均使用年数は一貫して長くなっています。
日本自動車整備振興会連合会 自動車保有台数に関する統計情報 よりグラフを作成
自動車の平均使用年数
自動車検査登録情報協会 わが国の自動車保有動向 よりグラフを引用
自動車保有台数が増えて、使用年数も増えているのなら整備売上は増えそうなものですが、実際には横ばいで推移しています。この原因としては
- 安全装置等の普及により事故が減少し、事故で壊れるような部品の需要が減少している
- 車の電動化が進んだ結果、ブレーキパッドやエンジン周りなどの部品の交換機会が減少している
- 整備業界で競争が激化しており、整備価格が下落している
といったことが原因として考えられます。
自動車の電動化、高度化が進んでいる
以下はハイブリット車、電気自動車の保有台数の推移です。
自動車検査登録情報協会 わが国の自動車保有動向 よりグラフを作成
ハイブリット車の普及が進んでいます。それでも全体の10%強といったところであり、まだ普及率は伸びていきそうです。一方で、電気自動車の普及はほとんど進んでいません。
以下は運転支援装置の普及率の推移です。
国土交通省の資料 より引用
新車に対する普及率である点に注意が必要ですが、運転支援装置がかなり使われるようになっており、自動車の高度化が進んでいることがわかります。
このことから自動車の整備や修理が難しくなっているといえます。今までになかった装置が組付けられており、自動車メーカは部品そのものや整備に関する情報をディーラ以外の整備事業者に提供していないようなので(全国自動車部品卸商協同組合の資料を読む限り)、整備事業者にとっては厳しい事業環境になってきています(更に、2021年10月より車検においてOBD診断(内部システムの不具合などを自動で診断する仕組みのこと)が義務化されており、ますます小資本の整備事業者にとっては厳しい事業環境になっている)。
また、新技術に対応できない整備事業者が増えることで、ディーラの整備事業者に顧客が流れ、結果的に優良部品の需要が減少していく可能性もあります。
さらに、自動車の高度化によって交通事故が減り、修理需要が減少し、電動化によってエンジン周りの部品交換機会が減少するはずなので、自動車補修部品の需要は減少していくはずです。
こういった事業環境の変化に対応するため、自動車部品卸販売会社は
- 次世代自動車補修部品のどれが壊れやすく、需要があるのか、どのくらいの期間で壊れるのか、どういった整備が多いのかなど情報収集
- 次世代自動車向けの補修部品開発
- 地域部品商を通じた整備事業者への支援
などの施策が求められています。
3については、ディーラ以外の整備事業者が電動化や高度化に対応できなければ、当然優良部品は使われなくなってしまうわけなので、整備事業者への支援が必要ということです。
自動車整備業界ではディーラが強い立場にある
- 国内の自動車補修部品の供給体制を自動車メーカが主導して構築してきた(部販・共販、ディーラも一緒になって頑張ってきた)
- ディーラのメンテナンスパックが浸透しており(時期は不明だが新車販売時の契約率は40%程度という情報がある)、入庫台数の確保に成功している
- 自動車整備に関してメーカからのサポートを受けることが出来る
といった点から自動車整備業界ではディーラが強い立場にあると考えています。
また、自動車の電動化、高度化がすすんでおり、ディーラとその他整備事業者との格差が拡大していく可能性があります。
優良部品流通では川下が弱く、川上が強い構造になっている
ただし、部品メーカを除く。
まず、1次卸である自動車部品卸販売会社の数は10~20社程度。2次卸は850社。部品の需要家である整備事業者の数は9万程度となっており、事業規模や資本力が川下ほど小さく弱いと考えられます。
また、全国自動車部品卸商協同組合に資料においては「川下ほど経営ノウハウや資本力を有しておらず、受発注システムの導入などの業務改善が行われていない傾向にある」ことが読み取れます。
したがって、優良部品流通においては川上ほど弱く、川上が強い構造になっている点が特徴なのかなと思っています。
業績等推移
売上と利益
以下のグラフは売上と営業利益率、営業利益、純利益の推移です。
有価証券報告書よりグラフを作成
売上、利益ともに成長しています。また、営業利益率は4%程度とやや低いですが、商社であり妥当な水準なのではないかと考えています。景気低迷期に売上・利益が減少していますが赤字にはなっていません。自動車補修部品は必需品であり、需要が底堅いということでしょう。したがって、同社の事業はやや景気循環の影響を受けると評価しています。
セグメント別の売上と利益
以下はセグメント別の売上と利益の推移です。
有価証券報告書よりグラフを作成
いずれのセグメントもバランスよく売上と利益が増加しています。
以下は地域別の売上推移です。
有価証券報告書よりグラフを作成
国内・海外ともに売上が増加しており、海外売上の比率はあまり変化していません。海外で売上が増えている地域はアジア・オセアニア、その他地域になっています。アジア・オセアニアで2017-3期に売上が大きく落ち込んでいるのは「大口メーカーの代理店権を喪失したこと」「円高による影響」だと思われます(有報には海外全体の内容として記載、アジア・オセアニアの話とはないがおそらくそうだと思われる)。その他地域については2015-3期以降、アメリカの会社を買収しており、アメリカの売上が増加しているのだと予想しています(有報ではアメリカの売上は記載されていない)。
投資
以下は有形固定資産・無形固定資産・買収等への支出額の推移です。キャッシュ・フロー計算書の支出額を記載しています。
有価証券報告書よりグラフを作成
2014-3期以降、設備や買収への投資が増加していることがわかります。
以下の表に設備投資の内容をまとめました。ただし、2014-3期以降の投資額が大きい年のみを抜粋。
有価証券報告書より表を作成
2014-3期以降の設備投資としては
- 国内の営業所への投資
- 海外シンガポールの営業所への投資
が多いです。
中期経営計画(VISION2030)を見る限り、国内物流の再編と海外物流の構築を掲げているため、そのための投資だと思われます。
以下の表に主な買収内容をまとめました。
有価証券報告書より表を作成
谷川油化興業の買収は
- 川上進出による原価率の改善
- 自動車アフターマーケットの売れ筋変化への対応(ケミカル用品が売れやすくなっている)
といった狙いがあったと思われます。
また、デルオートの買収はリビルド品を強化していくための布石でしょう。これも中期経営計画(VISION2030)での目標に入っているので。
アメリカの会社を買収したのは海外展開を強化(輸出だけではなく現地で物流や販売も含めて事業を展開)するためでしょうが、アメリカは日本と市場環境が大きく異なるのでどういう戦略で事業を展開していくのかは非常に興味があります。
アメリカでは
- 優良部品のシェアが非常に高く(8割を超える)
- 安くて品質の良い優良部品を製造・販売するSPKよりも大幅に強力な競合が存在する(DormanやBeck/Arnleyなどのリパッケージャー)
であり、日本市場とは大きく異なります。
アメリカのおおよその市場環境については、自動車アフター市場の重要性の高まりと事業機会 知的資産創造 = Knowledge creation and integration 23 (4), 58-79, 2015-04 に結構わかりやすく記載がありました。
また、中期経営計画(VISION2030)では2024-2026の目標として海外物流の構築を掲げているので、今後も海外投資は設備投資・買収ともに増加していくはずです。
フリーキャッシュフローの算出
以下はフリーキャッシュフローの推移です。
有価証券報告書よりグラフを作成
フリーキャッシュフローは横ばいか、やや減少しています。NOPATは増えているのですが、2014-3期以降に投資を増やしたことが主な要因です。今後は
- 海外物流の構築
- 新製品開発のための研究開発
などを予定しているので、この傾向は変わらないかフリーキャッシュフローは悪化するのではないかと予想しています。
自動車補修部品の業界は大きな変革期にあるので、投資は避けられないでしょう。
投下資本利益率の算出
以下のグラフは投下資本利益率(ROIC)の推移です。税率は税引き前利益と純利益から算出しています。
有価証券報告書よりグラフを作成
2005-3期と比較して、ROICが大分下がっています。ROICは大きく営業利益率と投下資本回転数に分解できるため、双方を確認します。
以下は営業利益率と投下資本回転数の推移です。
有価証券報告書よりグラフを作成
ROIC低下の原因は投下資本回転数が低下しているためだとわかります。投下資本が増えた割に売上が増えていないということです。
以下のグラフは投下資本の構成および各種資産の売上比率です。
有価証券報告書よりグラフを作成
投下資本が大きく増加しています。売上に対して増えているのは
- 現金
- 有形固定資産
- 棚卸資産
です。
つまり、ROIC低下の原因としては以下が考えられます。
- 国内物流再編、海外物流構築のための投資のわりに売上が増えていない
- 海外展開を進めているが、これまでの輸出による方法よりも現時点では資産効率が悪い
- 納期短縮のため在庫を増やしたが売上増加に結び付いていない
- 現金を多く持っていないと安心できない事業環境になった
- 有効な投資先を見つけられないまま現金を多く保有している
投資の効果が表れるには時間がかかる場合もありますし、ダメな投資をしているとは思っていません。ただ、今後しばらくは投資が増えると思われるため、ROICが回復することはしばらくはないでしょう。
さらに長期のデータ
SPKは1996-3期以降の有報を公開しているので上記よりも長期のデータが存在します。しかし、2004-3期以前は有報が画像データで公開されており、値がコピペできず心が折れたため、上記では2005-3期のデータのみをグラフ化しています。
ここでは現時点でデータ入力ができている売上と営業利益、営業利益率、粗利益率・販管費率、セグメントおよび地域別売上、ROICの推移を記載しています。その他、資産やCFなどの詳細については力尽きたので記載できていません。同社に投資する意欲があればなんとかするかも?
有価証券報告書よりグラフを作成
まず、売上と利益がこの28年間の長期にわたって成長を続けています。これはすごいことです。
また、営業利益率もわずかですが向上しています。さらに、粗利率も改善、販管費は増加しています。おそらくですが、調達の改善によって原価を低減できており、それによって生まれた余力で販売に関わる営業人員や営業拠点のための投資が出来ているのだと思います(理想的なのは、おそらくは)。
国内、海外売上ともに増加しており、海外売上比率はほとんど変わっていません。
有価証券報告書よりグラフを作成
ROICは28年間低下傾向にあります。これは厳しいですね。このペースでROICが低下すると2050年にはROICは0%になります。あり得ないとは思うのですが。
営業利益率は変わらないか上昇しているので、投下資本回転数が低下しているということです。
有報のデータを入力していないので
- 投資額や内容
- 投下資本の内訳
がわからず、定性的な分析はできていません。
感覚的には1995年に自動車整備の規制緩和があったのでそれが事業環境悪化に一役買っているのではないかと思っているのですが、ちょっとよくわかっていません。2005-3期以降は上記で述べたとおりです。
まとめ
SPKは海外で売上成長を見込めるほか(上手くやれれば)、国内でも売上を増やす余地がまだまだあるという意味で面白い会社です。国内においては顧客である地域部品商が利益を多く見込める商材を欲しており、優良部品の新規開発およびリビルド品・リユース品への参入によって、優良部品やリビルド品・リユース品が多く使えるようになれば市場規模が変わらなくても売上を増やすことが出来ます。自動車補修部品に占める純正部品のシェアは推定で8割なので、これが変わっていけば可能性があります。
そのためには
- 整備の現場でどのような自動車部品が良く壊れるのか、交換されるのかといった情報を徹底的に収集する体制を構築する
- 上記で収集した情報を元に、整備の現場で需要がある優良部品を開発し、販売する。または、リビルド品・リユース品を生産し、販売する
- 高度化された(ここではEV化も含む)自動車に利用できる優良部品・リビルド品・リユース品を生産するための研究開発を行う
- 昨今の高度化された自動車を整備するための情報を収集し、地域部品商を通じてディーラ以外の整備事業者と情報共有する体制を構築する
- ディーラー以外の整備事業者を支援することで優良部品やリビルド品・リユース品を用いて、高度化された自動車を整備可能、かつ自動車ユーザに純正部品を使わなくても問題ない理由を説明可能となるように業界を改善する
あたりが必要です。
自動車ユーザからすると自動車を問題なくメンテナンスしてくれることが重要なわけで、それが出来れば安くつく優良部品を使ってもらえたほうがメリットがあります。なので、上記ができれば自動車補修部品に占める優良部品のシェアが向上し、結果売上が増えると考えています。とはいえ、そんなにうまい話があるのかとも思ったりもしますが。
国内の自動車補修部品業界は変革の真っただ中にあり、今後ディーラが影響力をさらに強めて優良部品が厳しくなっていくのか、上記のように優良部品の利用が増えていくのは全く分かりません。そういった意味で面白い時期なのかなと思っています。
海外については余地があるという程度で、SPKが強みを持って事業を拡大できるのかは全く分かりません。正直もっとそこら辺の情報をもっと開示して考えを示してほしいです。SPKは国内ではそこそこ有利な立場で事業を進めていると思いますが、海外においてはよくわかりません。輸出にとどまらず、現地の供給網構築を決定するに至ったのはどうしてなのか、それが報われると考えている根拠は何なのか。そこら辺が知りたいところです。
今回はここまでです。