株式銘柄紹介ブログ

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2021年 IPO 簡易調査 2585 ライフドリンクカンパニー

概要

2021年に新規上場した銘柄のうち、面白そうだなと思った銘柄を簡単に紹介します。投資するに優れた銘柄とは限らないためあしからず。


今回の銘柄はライフドリンクカンパニーです。この会社は主に格安ペットボトル飲料の製造販売を事業としています。
 

設立から現在までの経緯

同社は1950年創業、1973年から茶葉の加工販売を開始、2000年ごろから多角化を志向するようになり

  • 農畜産物、水産物の加工製造、販売 00年
  • 茶系飲料の製造販売 01年
  • 水系飲料の製造販売 02年
  • 醤油の製造販売 04年
  • せんべいの製造販売 04年
  • チョコレート製品の製造販売 08年
  • 調味料の製造販売 10年
  • 乾麺及びインスタントラーメンの製造販売 11年
  • 運送業 12年
  • 炭酸水の製造販売 13年

のように様々な事業を展開していました。

しかし、2015年にSunrise Capitalと資本業務提携を行って以来、飲料・茶葉以外の事業へ専念し、選択と集中によって事業の再構築を進めてきました。2021年ごろまでにおおよそ再編が完了しています。
 

事業内容

ライフドリンクカンパニーの事業は「ドリンク・リーフ事業」の単一セグメントとなっています。

ドリンク・リーフ事業

低価格のペットボトル飲料を製造し、小売事業者に向けて販売しています。具体的にはドラッグストアやスーパーなどで水2リットル58円で売っているような格安の飲料を作っています。近年、消費者は飲料についてはブランド重視で大手の商品を買い求める層と安さを第1に商品を買い求める層に二極化しており、安さを求める消費者ニーズにターゲットを絞って事業展開しています。


同社の強みは低価格・高い製品供給力です。以下の施策により、強みを実現しています。

  • 小売店への直接販売によるマージンの削減
  • 多くの工程を内製化。原材料・資材の生産と運送、店舗販売以外すべてを内製化(2021年3月期の売上のうち7割程度が自社、3割程度が外注品である模様)
    • トレーサビリティの担保
    • 製品品質の安定化
    • マージンの削減による低価格化
  • 工場を全国展開
    • 物流コストの抑制
    • 供給停止リスクの低減
    • 高い製品供給力(全国展開する小売店へも供給可能)
  • 少品種大量生産。茶系、水系、炭酸飲料のみ。容量も500ml、2.0Lに絞る
    • 生産の効率化(ライン切り替え時間を短縮)
    • 原材料・資材の共通化による仕入れコスト抑制

 

以下は同社施策の説明資料です。





2022年3月期決算説明会資料 p6~9より引用

 
証券リサーチセンターのレポートによると主な顧客は小売事業者であり、小売事業者向けの売上が96%、ECは4%程度(2021年3月期)。イオントップバリュが最大の顧客で、このほか、神戸物産、ゲンキー、ウエルシア、マツキヨココカラ&カンパニーなどの総合スーパー、ディスカウントストア、食品スーパー、ドラッグストアが中心。

競合先はミツウロコビバレッジ、サーブビバレッジ、ハルナプロデュース等限られるようで、同社は品目を絞ることで競合に対して価格優位性を築いています。一方、顧客が求める供給量や液種に同社が応じられない場合に外部委託先として競合を頼っている面もあるとのことです。
 

業績

売上・利益ともに成長しています。2022年3月期の営業利益率は8.8%と高いです。


IRページ 財務ハイライトより引用

 

まとめ

ライフドリンクカンパニーは低価格・製品供給力に強みを持つ飲料メーカです。低価格飲料を求める消費者ニーズを取り込みたい全国展開する小売店のニーズに合致した事業展開をしています。

決算説明資料を見る限り、同社は内製化率や生産性を向上させる余地はまだあり、事業はまだまだ成長できると見込んでいるようです。「水」「お茶」「炭酸」飲料市場は健康志向の高まりを受け、拡大しており、その中でも低価格飲料は市場以上に成長するだろうという目算もあるようです。


同社の低価格への取り組みは徹底しており、そう簡単にまねできないでしょうし、大手小売店にとって全国に製造拠点を持つ低価格飲料メーカは便利であるように思うので、当面は上手く行くのではないかと思っています。


また、手薄なECにも力を入れていくようです。今後に期待したいです。


今回はここまでです。