株式銘柄紹介ブログ

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2021年 IPO 簡易調査 4936 アクシージア

概要

2021年に新規上場した銘柄のうち*1、面白そうだなと思った銘柄を簡単に紹介します。投資するに優れた銘柄とは限らないためあしからず。


今回の銘柄はアクシージアです。この会社は主に中国EC市場で化粧品を販売しており、急成長、高利益率な事業を営んでいます。

事業内容

主に中国のEC市場で化粧品を販売しています。中国ECが売上に占める割合はおおよそ70%程度、中国サロンが18%程度なので中国で約9割を売り上げています。

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2021年7月期決算説明会資料 p18より引用


同社は自社で生産設備を持たないファブレスメーカーです。ただし、製品開発はすべて自社企画で、梱包・出荷・在庫管理はすべて内製化しています。また、EC販売する製品はCtoC市場(RED,Taobao)の出店者を囲い込んで育成品を販売しフィードバックを集めて改良しながら主力品に育て、それをBtoC市場(T-Mall)に投入するという戦略を取っています。


同社の強みは

  • 中国EC市場における商品開発の仕組みを構築している
  • RED,Taobaoの出品者との関係を構築している
  • 中国市場の成長を享受できる事業ポートフォリオである

といったところでしょうか。

ただし、競争優位性を持つほどかはわかりません。ライバルについてよくわからないので。

自社工場の取得について

上場によって得た資金を使って20億円程度かけて自社工場を作る予定です。製造を内製化したいわけではなく、研修開発型、少量多品種のスピード生産型という位置づけなようです。

同社は製品開発段階でCtoC市場(RED,Taobao)からフィートバックを受けて製品改良を繰り返していますが、その際のリードタイム短縮が主な狙いです。製品開発のプロセスは同社にとって競争に勝ち抜くために極めて重要であり、ここを強化するための投資ということです。非常に有意義な投資であるといえます。


ただし、短期的には資本効率は低下するでしょうし、減価償却費がかかるため利益も目減りするかもしれません。個人的には同社にとっては必要な投資だと評価しています。


追記

もともとは自社で工場を建てる計画であったが、投資計画を見直し、M&Aによる工場取得も検討しているようです。コロナ禍によってM&Aできそうな案件が出てきたようです。

近年の業績

売上が大きく伸びています。来期についても同様の予想となっています。利益率も20%程度あり、非常に高いです。ただし、利益率は減少傾向にあります。

利益率減少の原因は利益率が比較的低いT-Mallでの売上が増加しているためです。T-Mallでは広告宣伝費や手数料などがかかりますが、スケールさせていくためには合理的であるといえます。RED,Taobaoは日本でいうところのメルカリ、T-Mallは楽天市場やアマゾン、ゾゾタウンだと考えるとわかりやすいと思います。

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2021年7月期決算説明会資料 p4,19より引用

まとめ

アクシージアは中国での売上が9割程度あり、良くも悪くも中国の影響を強くうける銘柄です。急成長しており、利益率も高いですがリスクはやや高く見たほうが良いのかなと思います。しかし、中国EC市場での製品開発プロセスがきちんと確立されており、そのプロセス強化のための投資もしっかりと行っており、しっかり考えられているなという印象を受けます。今後の展開に注目したい銘柄です。


今回はここまでです。

*1:上場直後の銘柄よりもやや時間がたった銘柄のほうが情報が多いため、ここではあえて上場直後の銘柄は扱っていません。