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2021年 IPO 気になった銘柄ざっくり紹介 その2

概要

ここでは2021年に新規上場した銘柄のうち、1ページ丸ごと使って詳しく取り上げるほどでもないんだけれど個人的に気になっている銘柄を紹介します。


記事が長くなっても読むのが大変だと思うので3社づつに分けて書いていこうと思っています。


今回は以下の3社です。

  • 4176 ココナラ(スキルシェアプラットフォーム運営)
  • 7363 ベビーカレンダー(妊婦・1歳までの子供を持つ母親向け情報サイト運営)
  • 9327 イー・ロジット(通販事業者向けフルフィルメントサービス)

 

4176 ココナラ

自分のスキルを売ってお金を得ることが出来る、ものではなくサービスを売るマーケットプラットフォームを運営。

  • スキルを販売するという形式であること
  • スキルシェアの中でもライフスタイル系、スキルシェア初心者を主なターゲットとしている

といった点が特徴的。


スキルを販売者側が出品するという形式では業界トップの模様、スキルシェア業界での主な競合にはクラウドワークス、ランサーズがある。


取扱い高の増加に伴い売上も成長している。テイクレートはほぼ横ばい。サービスの利用者は継続して利用する傾向が高く、売上は安定しやすい。

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2021年8月決算説明会資料 p12、p14より引用


売上が増えている一方で利益はほとんど出ていない。原因は広告宣伝費、特にTVCMであり、これを除くと黒字が継続している。

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2021年8月決算説明会資料 p22より引用


今のご時世、副業ニーズは結構あると思うのでスキルシェア初心者をターゲットにしているのは良いんじゃないかと思っています。みんな最初はスキルシェア初心者なのでこの段階で利用者を獲得できるのはアドバンテージがあるはず。

7363 ベビーカレンダー

妊婦~1歳までの子供を持つ母親むけの情報サイトを運営。また、産婦人科向けの情報提供サービス(妊婦向け)も提供。情報サイトのPVが伸びており、広告収入によって業績は成長しています。

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事業計画及び成長可能性に関する事項について p12、p19より引用


妊婦の数は減少しているが周辺市場が縮小傾向にあります。しかし、子供一人当たりにかけるお金は増加傾向にあります。したがって、妊婦の数が減ってはいるとはいえ、この情報メディアの価値はこれからも維持されるでしょう。個人的には逆に価値が高まっていくのではないかと思っています。

  • 妊娠期間中、子育てについての正しい情報が欲しい
  • 役に立つのであれば高くてもお金を出して購入する意欲のあるターゲット
  • ターゲット人口が減る中で何とかして顧客との接点が欲しい広告主

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事業計画及び成長可能性に関する事項について p10、p11より引用



同社は既存領域の深堀だけでなく、育児向け領域・その他女性向け領域へ事業を拡大することで更に成長可能です。

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事業計画及び成長可能性に関する事項について p34より引用


同社は妊娠出産という女性の多くが通る重要な時期を押さえているのが強いです。同社のメディアの読者はその後必ず育児をしますし、アンチエイジングにも興味を示すはずだからです。うまくいくかは未知数ですが、立ち位置は非常に良いのではないでしょうか。

 

9327 イー・ロジット

通販事業者向けにフルフィルメントサービスを提供しています。商品の保管、ピッキング、梱包および配送、商品撮影、受注処理およびお問い合わせ対応等までの全般的なサービスをワンストップで提供することが可能です。

同社は物流センターを関東でドミナント展開しており、通販事業者にありがちな突発的な需要増に対応することが可能です。この対応を波動対応といい同社の大きな強みとなっています。

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2021年3月期決算説明会資料 p7,8から引用


同社のサービスの特徴は顧客独自の要望に応えることが出来る点にあります。例えば

  • 緩衝材にプラスチックではなく、植物由来のものを使用する
  • ラッピングを行ったり、メッセージカードを同封する

などオペレーションが煩雑になり、他社がやりたがらないことにも応えることが可能です。


物流センターの新設に伴って、売上は順調に増加しています。一方で、利益率は低いです。利益率が低いのは物流センター新設の先行投資によるものです。利益貢献には2年程度かかるようです。

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2021年3月期決算説明会資料 p20から引用


EC向けの物流サービスは今後も需要があるはずなので、同社も拠点新設によって今後も業績を伸ばしていくのではないかと思っています。ただ、同業他社である「9326 関通」の利益率は4%程度と決して高くなく、同社の利益率もそれほど向上することはないのかなと控えめに評価しています。


需要が拡大する市場で成長している会社であり、これからが楽しみです。


今回はここまでです。


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