株式調査記録

主に日本の株式の調査結果をまとめています

Hamee 事業内容と業績推移

事業内容

事業概要

Hameeはスマホのアクセサリ販売やECサイト運営者向けのサービス提供を主な事業として営んでいます。

Hameeの事業は「コマース」事業、「プラットフォーム」事業、「その他」の3つのセグメント分類されており、それぞれ以下のようなサービスを顧客に提供しています。

セグメント 事業内容
コマース スマートフォンケースや充電器、イヤホンといったアクセサリーをECサイト経由で販売、または大手家電量販店などへ卸売りを行っている。商品企画、開発、仕入れは行っているが、製造は外注。海外でも展開している。海外での展開はECサイト経由での販売が主。
プラットフォーム ECサイト運営者向けに、業務を効率化するクラウドサービス(メール自動対応、受注伝票一発管理など)であるネクストエンジンを提供している。複数のインターネットショッピングモールに出品している場合であっても一元管理可能。また、EC運営のコンサルティングサービスも提供している。海外展開は始まったばかり、2019年3月に韓国向けのサービスの正式版をリリース。
その他 前述した2事業に分類できない新サービスが「その他」事業に分類されている。「Hamic BEAR」「ふるさと納税事業受託支援サービス」、ネクストエンジンのメイン機能に紐づかないEC事業者向けのサービス等

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同社については以下のレポートが詳しいので、一読されることをお勧めします。

www.bridge-salon.jp





以下は2019年4月期のセグメント別の売上および利益構成です。

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売上と利益の中心は「コマース」事業ですが、利益率では「プラットフォーム」事業が高いです。
「その他」事業はほとんど売上がありません。


業績推移

売上と利益

以下のグラフは売上と営業利益率、営業利益、純利益の推移です。

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売上・営業利益・純利益ともに増加しています。
2019-4期の営業利益率は11%程度あり、高いです。


2019-4期は増収減益となっていますが、有報では「積極的に成長投資をしたため各種償却費・研究開発費が増加し、利益が抑制されたためである。EBITDAは前年比2%増加している」と説明されています。


以下は売上と利益の成長率です。

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利益の成長が鈍化しています。
ただし、2017-4期以前の成長率が高すぎるので落ち着くべきところに落ち着いてきたのかなという印象です。


以下のグラフはROAとROEの推移です。

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ROE・ROAともに上昇しています。2019-4期のROEは約20%あり、非常に高い水準です。
財務レバレッジは低下傾向にあります。

セグメント別の売上・利益推移

売上

以下はセグメント別の売上構成および売上増加量の推移です。

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「コマース」事業、「プラットフォーム」事業ともに売上が増加しています。
また、売上の増加量は「コマース」事業のほうが大きいです。



以下はセグメント別の売上の成長率の推移です。

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売上の成長率では「プラットフォーム」事業のほうが高いです。



以下は各セグメントの売上構成の推移です。

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「コマース」事業の売上増加を牽引してきたのは主に卸売(国内)であることがわかります。ただ、近年では卸売(国内)の売上増加は伸び悩んでいます。一方で、海外での売上は順調に伸びています。これはアメリカ子会社の売上増加によるものです。

「プラットフォーム」事業はネクストエンジンが好調であること、新たにコンサルティングを開始したことによって順調に売上が増えています。

利益

以下はセグメント別の利益構成および利益増減の推移です。

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「コマース」事業、「プラットフォーム」事業ともに利益が増加しています。利益の増加量は「コマース」事業のほうが大きいですが、2019-4期に減益しています。また、「その他」事業については赤字となっています。新規事業で赤字がでるのはある程度仕方がないことです。今後に期待。
したがって、同社の2019-4期の減益は「コマース」事業の減益と「その他」事業の赤字幅の拡大によるものだとわかります。


以下はセグメント別の利益の成長率の推移です。

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「プラットフォーム」事業はやや増減ありますが、安定して利益が成長しています。2019-4期の成長率は32%と高いです。
一方、「コマース」事業の成長率は非常に高いですが安定しておらず、2019-4期はマイナスとなっています。

「国内の小売り事業者への卸売が好調で2017-4期前後にかけて大きく利益が成長したが、近ごろは伸び悩んでいる。さらなる成長のために投資をしたがその負担のため減益となってしまった」というところでしょうか。

資産

以下のグラフは総資産と自己資本比率の推移です。

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総資産額は増加、自己資本比率も上昇しています。


以下のグラフは資産の内訳推移です。

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売掛債権・棚卸資産・無形固定資産といった事業用資産が増加しています。



以下のグラフは無形資産の内訳推移です。

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ソフトウェアへの投資、買収によるのれん等が増加しています。



以下のグラフは負債の内訳推移です。

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自己資本が大きく増加しています。また、有利子負債はやや減っています。同社の資産の増加は自己資本によって賄われているといえます。



以下のグラフは自己資本の内訳推移です。

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自己資本の増加は利益剰余金の増加によるものであり健全です。


キャッシュフロー

営業CF

以下のグラフは営業CFの推移です。

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営業CFは成長しています。

投資CF

以下のグラフは投資CFの推移です。

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近年の投資額は増加傾向にあります。


以下の表は同社の主な買収内容です。

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2018年に「プラットフォーム」事業、「コマース」事業に関連する買収を行っています。

財務CF

以下のグラフは財務CFの推移です。

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以下のグラフは財務CF中の株主関連収支の内訳です。

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特に気になる点はありません。

全体


以下のグラフは各種CFおよび現金同等物と有利子負債の推移です。

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  1. 営業CFは成長しており常にプラス
  2. フリーCFは2017-4期以降はプラスになっている
  3. ネットキャッシュはプラス
  4. 2015-4期に上場し資金調達後、現金は緩やかに増え、有利子負債は緩やかに減っている


営業CFは成長、現金が増加・有利子負債は減少しており、調子が良いといえます。
本業で稼いだお金で投資をしており、安定した経営をしているように見えます。

まとめ

Hameeは近年急速に売上と利益が成長しています。

2014-4~2019-4期については

  • 売上が47億円から103億円となり、56億円増加、+100%、年平均15%成長
  • 営業利益が2.3億円から11.6憶円となり9.3憶円増加、 +410%、年平均38%成長

となっています。

2019-4期の営業利益率は11.3%と高いです。しかし、2019-4期決算は増収減益となっています。同社はこれを成長投資のためと説明しています。


同社は「コマース」事業の売上・利益が大きく、この成長も「コマース」事業によるものです。特に国内卸の売上成長が著しいですが、2018-4期以降は伸び悩んでいます。一方で「プラットフォーム」事業の売上は2014-4期以降安定して成長しています。しかし、「プラットフォーム」事業は同社の売上のうち約2割を占めているに過ぎないため、「プラットフォーム」事業が同社の売上や利益を大きく成長させるにはまだ時間が必要です。


「コマース」事業の売上が伸び悩んでいること、安定して売上が増えている「プラットフォーム」事業の売上が全体の2割程度であることから、今までのペースで今後成長していくとは思えません。さすがに売上15%、営業利益40%成長を継続するのは無理があるので、それには届かないにしても「プラットフォーム」事業が育っていって売上・利益ともに堅調に増えていくのでは?と予想しています。


海外はアメリカでの売上が増えていますが、まだ規模が小さく、国内のような成功をおさめるかはわかりません。海外については期待せずに経過を監視していきたいですね。


したがってHameeの今後の見どころは

  • 安定成長している「プラットフォーム」事業の売上・利益が今後も成長していくのか
  • 伸び悩んでいる「コマース」事業の売上・利益が今後どうなっていくのか、海外でカバーする展開になるのか?それとも国内も安定して成長していけるのか
  • 「コマース」事業のアメリカでの売上が伸びているけど、これは継続するのか

あたりだと考えています。




今回はここまでです。