株式銘柄紹介ブログ

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プログラムで株式分析 その2 「決算発表による株価変動の結果を可視化する」

はじめに

本記事は

からの続きです。


前回は東証上場会社情報から決算情報を取得するところまでやりました。今回は決算発表が株価に影響を与えているか調べていきます。決算発表のすべての情報についてはとても調べられなかったので、今回は営業利益YoYに着目して調べてみました。


面白い結果は出ていないです。

やったこと

やりたいことは

  • 業績が前年同期と比較して良いなら株価も上がるのか
  • 業績予想が前年と比較して良いなら株価も上がるのか
  • 業績予想が上方修正されたなら株価も上がるのか

かどうかを調べることです。


そのために

  1. 決算発表または業績予想修正発表後の株価変動をリターンとして取得
  2. 横軸に営業利益YoY、縦軸にリターンとなる散布図を作成
  3. 営業利益YoYとリターンの間に相関がありそうかグラフを目視で確認

を実施しました。


株価自体はstoooqというサイトのAPIで取得できるので、前回のデータと株価変動率をエクセルでグラフ化するだけでOKです。


決算や業績修正データは東証上場会社情報というサイトから取得しています。証券番号が若い順に40社分のデータを使っています。


リターンは「発表日翌日の終値」と「発表後5、10、20日後の終値」の変化率から算出しています。翌日の終値を使っているのは、自分が決算発表を精査して買うか否かを判断できるのがこのくらいだからという都合からです。実際に決算発表の影響を測るのであれば「決算発表前日の終値」を使うのが妥当です。


「決算発表前日の終値」を使ったグラフも作ってみたのですが、見栄えに有意な差がないように見えたため、記事には掲載していません(以降特に言及しません)。今後、統計的な手法で結果を評価する際はどちらとも評価するつもりです。
 

結果

営業利益実績値YoYとリターンの分布

以下は決算発表の営業利益実績値YoYとリターンの散布図です。


営業利益YoYが大きすぎたり、小さすぎたりする範囲については興味がないので(自身が投資するなら外れ値は対象外とするため)、ここでは0%~30%の範囲の散布図を別途作成しています。


見た感じでは、全然相関がないように見えます。

営業利益予測値YoYとリターンの分布

以下は決算発表の営業利益予測値YoY(比較対象は前年の実績値)とリターンの散布図です。


こちらも同様に相関がなさそうです。

営業利益予想修正量とリターンの分布

以下は決算発表の営業利益予想修正量(比較対象は直近の予測値)とリターンの散布図です。


これまでと同様です。

おわりに

おそらく営業利益YoYとその後のリターンとの間には相関がないです。なので営業利益が増えている銘柄を決算後に買ってもたぶん儲からないって感じでしょうか。


ただ、発表前日の終値を使ったリターンでも相関がなさそう(別に確認した限り)というのが解せないです。データが間違っているとか、手法に誤りがあるなどを疑ってしまいます。


今回の取り組みにはいろいろ問題があり改善したい点が沢山あります。

  • 会社数が40社のみなので、もっと増やした方がいい
  • 特徴量として着目したのが営業利益YoYのみ、他の特徴量も調べたほうがいい
  • 単一の特徴量しか使っていない。複数の特徴量を使って複合的に調べたほうがいい
  • 判断方法が主観、統計的に関係性を示した方がいい(相関係数を使うのでよい?)
  • 自身のスクレイピング結果や集計プログラムに誤りはないかを検証していないので、そこら辺はもっとちゃんとやったほうがいい


あと、株式投資家としての視点なのですが、すべての銘柄を分析対象とするべきなのかということは検討しないといけないと思っています。

  • 仕手筋に狙われるような規模が小さく、値動きを誘発しやすい会社を対象としていいのか
  • 倒産する可能性がある赤字体質の会社と、安定した事業を営んでいる会社を同じように扱ってもいいのか
  • 事業の優位性がある会社とそうでない会社、景気循環性がある会社とそうではない会社と同じように扱ってもいいのか
  • 増収増益で株主の期待が高い会社とそうでない会社を同じように扱ってもよいのか


要するに似たような会社のみを集めて、その中でだけ通用する特徴量をみつけるというアプローチをしてみたいということです。しかし、これは特徴量を増やすことで解決する問題なのかもしれません。ちょっと、そこら辺の判断は知識不足でわからないです。



まずはデータ分析の手法について学びたいなぁと思っています。いまのところグラフにして主観で判断するくらいしかやり方がわかっていないためです。手法を学ぶためにデータが沢山ほしいのでJ-Quants APIに課金してみようかなと思っています。あと、機械学習のHowTo本を読んでみたいです。



結構先は長いのですが、データ分析の手法について学んだら、関連する記事を書きたいと思っています。


今回はここまでです。


以下に続きます。

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